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【短編コラム】果物は太りやすい?

こんにちは、今日はいつもと違い少し短めのお話です。

 

先日本屋で色々と書籍を物色しているとある本が目につきました。

本のタイトルは表記しませんが、糖質について書かれていた本でした。

 

最近では「医療」や「栄養」といった専門的なコーナーに置いてある様な生理学的機序など詳しく解説している本でなく、それらを簡略化した専門知識がない方がパッとみても分かりやすい本が店頭に多く並んでいます。

 

興味本位で手にとったその本の中には【意外な事実、実は果物は太りやすい】というニュアンスのことが書いてあり、詳しく読むと「果物に含まれる糖質はお米に含まれるブドウ糖ではなく果糖である」「果糖は糖質の中でも特に太りやすいためダイエットする時は果物を食べるのは控えましょう」という様なことが書いてありました。

 

 

それを読んだ時「マジか...」と思いました。

その本は店舗の目立つ位置に置いてあり注目されている本の様でした。

しかし、売れ筋の本にこんな内容が書かれていることがとても衝撃でした。

 

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◆果物は本当に太るのか?

 

の本に書かれている通り果物は太りやすいのでしょうか?

細かく説明するととても長文になってしまうため今回は簡単に説明させていただきます。

 

 

まず果物は果糖が含まれていることは事実です。

ではそもそも果糖とはなんなのかというと糖質の最小単位である単糖類であり、フルクトースとも呼ばれるものです。

 

 

この果糖は自然界では最も甘みが強いと言われています。

そのためスイーツなどに使われることも多く、ダイエットの大敵でもある砂糖はこの果糖(フルクトース)とブドウ糖グルコース)がくっついたものです。

 

 

ではその果糖は太るのかどうかについてですが、「果糖はとても太りやすい」と言うのが事実です。

人間はブドウ糖以外の糖質は一度他の物質に変換してからエネルギーに変換されます。

 

 

そのため果糖は一度脂肪になってからエネルギーになるため、ダイエットの大敵となるのです。

 

 

「じゃあ、その本の内容は合ってるじゃないか」と思うかもしれませんが、果糖は確かに太りやすいです。

しかし、「果物はそこまで警戒しなくてもいい」と言うのが私の結論です。

 

 

何故なら果物は確かに果糖が含まれていますが、全体的に見れば果物は水分が多く果糖の占める割合がそこまで多くありません。

それに果物には現代人(特に女性)が不足しがちなビタミンとミネラル、食物繊維が豊富に含まれています。

 

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のため果糖のデメリットを考えてもその他の栄養が取れるメリットの方が多いのです。

 

 

2018年に行われたこちら研究(Whole Fruits and Fruit Fiber Emerging Health Effects)では果物をしっかりと食べ、それに伴う食物繊維を摂ることで「長期的な体重管理」「メタボの予防」「2型糖尿病の予防」「心血管疾患の予防」「胃腸の炎症予防」など身体的にとても有益な効果があり、また「自閉症の軽減」「うつ病のリスク軽減」など精神的な面でも効果があるとされています。

 

 

また2019年に発表されたImproving fruit and vegetable intake attenuates the genetic association with long-term weight gainと言う研究では「健康の遺伝的リスク」の高い人、つまり遺伝によって発症率が高まる糖尿病などのリスクが果物を摂ることで抑えられるとされています。

 

 

◆まとめ

 

今回は少し短い記事になりましたがまとめると

・果物は果糖が含まれているため多少太る可能性はある。

・しかし全体的に占める割合が少ないためそこまで意識しなくてもいい

・それよりも他の栄養素を取れるメリット方が大きい。

・ダイエットの他に健康リスクの抑制にかなり効果的ではないか。

 

 

この様になりました。

本屋で冒頭に話した内容はネットでも数多くみられるため、それに騙されて「果物は太りやすいんだ」「果物をあまり食べないでおこう」と思ってしまわない様にしてください。

 

 

本日もここまで読んで頂き、ありがとうございました。