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有機野菜って本当に健康に良いの?

皆さん、健康を意識する上で食事に気をつけていますか?

ダイエット、筋トレ、美容、健康に関する事であれば何を目標にするにしても食事内容のバランスがとても重要です。

 

 

特にビタミン・ミネラルなどの微量栄養素は不足する人が多いため、意識して食べる

必要があります。

そこでダイエットを始めて食事内容を気にする様になり、野菜を普段より多く食べている人もいるのではないでしょうか?

 

そんな時、こんなことを思ったことはありませんか?

「野菜って無農薬や有機野菜の方がいいのかな?」

 

テレビやネットでは「普通の野菜は農薬まみれ」「有機野菜は栄養価が高いから美容にいい」など様々なことを言われています。

確かに有機野菜、無農薬と聞くと何となく身体に良い気がしますが、本当に身体に良いのでしょうか?

 

 

今日はそんな有機野菜についてのお話です。

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有機野菜の栄養価

 

機野菜の栄養価をお話しする前にそもそも有機野菜やオーガニック野菜とは何なのかを軽く紹介します。

 

有機野菜とは農林水産省が定めた条件を満たして育てられた野菜の事です。

その条件とは薬剤や添加物を使わない遺伝子組み換えではない、化学肥料を使わないなどと言った事です。

条件の中には土壌にも規定があるそうで、簡単に言えばかなり厳しい条件をクリアして育てられた野菜のエリートと言う訳です。

ちなみに有機野菜とオーガニックは同義です。

 

有機野菜と似たもので無農薬野菜がありますが、無農薬野菜は定められた条件がないため有機野菜とは少し違う様です。

 

 

さて、そんな有機野菜ですが栄養価はどうなのでしょう

まずはレタス、ほうれん草、小松菜の栄養素を調べた研究(https://www.jstage.jst.go.jp/article/vso/79/10/79_KJ00004407273/_pdf/-char/ja)から紹介します。

 

この研究は有機野菜と従来の野菜を育てて栄養価の違いを見ました。

またその際に遠くで育てると環境の違いによって差が生じてしまう可能性があるため隣接した畑で有機野菜と従来の野菜を育てました。

 

 

その結果は何と有機野菜は従来の野菜と比べて栄養価に優位な差はない」となりました。

一部βカロチンに違いがあったそうですが、それは生育段階での違いであり有機野菜だからと言う訳ではないそうです。

 

またこちらのAre organic foods safer or healthier than conventional alternatives?: a systematic reviewという論文は1996年から2011年までの間に報告された240の論文を精査したレビュー論文です。

 

この論文によると有機野菜と従来の野菜では野菜に付着している農薬、いわゆる残留農薬に差があったとされています。

 

 

従来の野菜は37%の残留農薬に対し、有機野菜は7%程度の残留農薬でした。

また尿から検出された農薬にも違いがあった様です。

しかし、論文内で「臨床的に重要ではない」とされていて、健康に対しての影響はないとされています。

 

またこの研究では有機肉(牛、豚、鳥)の研究もされており、従来の育て方の肉の方が細菌の付着は多かったとされています。

しかし、こちらも野菜と同じく健康に対しては何の影響もないとされています。

 

 

栄養価に関してはこの研究では有機野菜の方がリンとポリフェノールが豊富だったとされていますが、バラ付きが激しく有機野菜だからという訳ではなさそうです。

 

更に筆者の要約では栄養価の違いは研究者のバイアスによる可能性があるため、有機野菜の栄養価の優位性はないとされています。

 

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の2つの研究から有機野菜は特別栄養価が高いわけではなさそうです。

特に野菜に関しては土壌の状態、気候、育て方など様々な条件によって栄養価が変化するため一律して研究をすることが難しいです。

 

そのため、「有機野菜は栄養価が高いとデータで出ています。」と言った謳い文句で有機野菜の方が優れているデータを出して有機野菜を勧めているものは信用しない方がいいでしょう。

 

有機肉はどうなの?

 

ほども少し紹介しましたが有機は野菜だけではなく、牛肉や豚肉、鶏肉にも有機のものが存在します。

 

野菜の栄養価は有機と従来のものに違いはなさそうでしたが、肉ではどうなのでしょう?

2008年にアメリカで行われた研究では牧草牛(有機)と穀物牛の栄養価を比較しました。

結果は牧草で育てられたグラスフェッドである牧草牛の方がオメガ3脂肪酸と抗酸化作用のあるリノール酸、ビタミンB6が穀物牛よりも少し高かったそうです。

 

また肉ではなく有機で育てられた鶏から出来た有機卵では従来の卵と比べ、ビタミンA、D、Eが多く含まれており、オメガ3脂肪酸も多かったそうです。

 

ただこれらの研究は信頼性の高い研究ではなく、有機肉に関する比較研究の総数がそもそも少ないため「肉に関しては有機の方が少し栄養価が高い可能性があるかな」位の気持ちで考えていただければと思います。

 

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有機野菜は買うべき?

 

れまでの研究の結果から個人的にはダイエットや健康に関しては

有機野菜でなくても良い、有機野菜を買うお金で普通の野菜をいっぱい買う方が効果的」と考えています。

 

またアメリカで栄養士として活躍しているクリスティ博士も「有機野菜は予算内であるなら買うべき」「ただし、予算を考えて有機野菜を買う事でそもそもの野菜や果物の摂取量が減る場合は従来の野菜をしっかりと食べる方がいい」と発言しています。

 

少量の有機野菜よりも多くの従来の野菜の方が良い理由としては「癌や病気への予防のために多くの野菜や果物などを取り入れた食事をする方がいい」と様々な研究で言われていますが、その研究で使用されているのは従来の野菜であることがほとんどだからです。

 

従来の野菜でも研究によって健康に効果的と分かっているため、無理をして有機野菜をとる必要はないでしょう。

 

 

◆優先して買うべき有機野菜

 

最後に予算的に有機野菜を買える場合、どんな野菜・果物を優先して買うべきかをご紹介します。

 

優先的に買うべき有機野菜はこちら

・ほうれん草

・セロリ

・じゃがいも

・ピーマン

・トマト

・苺

・桃

・ブドウ

さくらんぼなど

 

逆に優先して買わなくても良い有機野菜はこちら

・アボガド

・玉ねぎ

・アスパラガス

・マンゴー

・キウイ

・メロン

・グレープフルーツ

・オレンジなど

 

考え方としては「皮ごと食べるかどうか」です。

有機野菜の栄養素はほとんど変わらないと言いましたが、従来の野菜には農薬が残留しています。

 

もちろん健康に影響はないとされていますが、体内に入るものなので農薬は少ないに越したことはないですよね。

農薬は表面、つまり皮の部分に多いため皮を剥いて食べる野菜はそこまで体内に入る農薬は多くありません。

 

 

先ほどの研究でも従来の野菜は約37%農薬が残留していると言いましたが、使用されたのは小松菜やレタスなどそのまま食べる野菜でした。

そのため、皮ごと食べる野菜・果物は優先して有機のものの方が良いと考えます。

 

 

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機野菜を買う時にどの野菜を買うか悩んだ時は「皮ごと食べる物」ということを意識して選んでみてください。

 

本日も記事を読んでいただきありがとうございました。

また次回の記事でお会いしましょう。