必須アミノ酸EAAって筋トレに本当に効果があるの?
こんにちは、今日は最近流行りのサプリメント【EAA】についてのお話です。
トレーニングを行なっている人は聞いた事がある方が多いのではないでしょうか?
少し前はトレーニングに組み合わせるサプリメントはプロテイン+BCAA(分岐鎖アミノ酸)や、プロテイン+グルタミン酸が主流でした。
トレーニングを行なっている人にはすでに常識かも知れませんが、今日は「トレーニングを始めてサプリメントを考えているけど何が良いか悩んでいる」「EAAって気になるけどよくわからない」という人にEAAについて解説していきます。
◆EAAとは必須アミノ酸のこと
まずEAAとは何の略なのか。
EAAは正式にはEssential Amino Acidsと言い、Essential(不可欠・重要) Amino(アミノ) Acids(酸)といった意味です。
タンパク質はアミノ酸が集まって出来たものなのですが、そのアミノ酸には20種類あ利、大きく2つに分ける事ができます。
まずは必須アミノ酸です。
これは人間が体内で合成出来ないため、食事などから摂取する必要があり9種類あります。
これがEAAです。
必須アミノ酸には以下の種類があります。
「バリン」「ロイシン」「イソロイシン」「トリプトファン」「フェニルアラニン」「リジン」「スレオニン」「メチオニン」「ヒスチジン」
そしてもう一つは非必須アミノ酸です。
これは11種類あり、人間が体の中で合成できるため必ずしも食事から摂取する必要はありません。
非必須アミノ酸はNEAA(NonEssential Amino Acids)と言います。
こちらはあまり聞く事のない言葉ですね。
非必須アミノ酸は以下の種類です。
「アスパラギン」「アスパラギン酸」「グルタミン」「グルタミン酸」「システイン」「アルギニン」「アラニン」「ブロリン」「グリシン」「チロシン」「セリン」
つまりEAAとは「人間に必要だけど、体内で合成できないアミノ酸9種類を取れるサプリ」という事です。
◆必須アミノ酸は何故トレーニングに効果的なのか?
EAAが何か分かったし、必須アミノ酸はその名の通り「必須」だから何となく身体に必要なのも分かった。
けど「必須だから」じゃなく、トレーニングに必要な明確な理由は何なのでしょう?
それには【アミノ酸スコア】と【アミノ酸の桶理論】を知る必要があります。
■アミノ酸スコア
アミノ酸スコアとは簡単に言うと「必須アミノ酸がどれだけバランスよくその食品に含まれているか」を示す数値のことです。
最高はアミノ酸スコア100で必須アミノ酸がとてもバランス良く含まれています。
このアミノ酸スコアはどの食品、食材にも存在しています。
例えばアミノ酸スコア100の食品は「鶏肉」「牛肉」「豚肉」「カツオ」「鮭」「ホタテ」「牛乳」「卵」などです。
私たちが主食にしている白米はアミノ酸スコア61程度になっています。
「え、じゃあアミノ酸スコア100のものばかり食べてたら筋肉つくじゃん」と思うかも知れませんが、そうなると他の栄養バランスが偏ってしまい逆効果です。
アミノ酸がしっかりと代謝されるには糖質やビタミン、ミネラルが必要です。
大切なのは「食事の内容でしっかりと必須アミノ酸を補えているか」です。
先ほど白米はアミノ酸スコア61程度と言いましたが、白米には必須アミノ酸であるリジンが足りません。
しかし、納豆や煮豆などリジンの多いものと一緒に食べるとアミノ酸スコアは100になります。
またいくらアミノ酸スコアが100だとしても、食べる量が少なければその分摂取できるアミノ酸は少なくなります。
10の若い人なら別ですが、お肉を大量に食べるのは胃がもたれてしまいますよね。
この様にしてバランスを取れた食事をすることで健康にも筋肉にも良い効果を発揮します。
■アミノ酸の桶理論とは
アミノ酸を考える上でもう一つ必要なのは【アミノ酸の桶理論】です。
桶理論とは例えば必須アミノ酸の内8種類がスコアが100で1つだけが60だとします。
そうなるとアミノ酸はスコアの少ない60のアミノ酸にバランスを合わせてしまい、余った8種類の40は使われる事がないのです。
9種類のアミノ酸の板でできた桶の一つに穴が空いていたら、いくら他が頑丈でもそこから水がこぼれるのと同じイメージですね。
そうなると筋肉や代謝にアミノ酸を効率良く使えず、無駄に肝臓や腎臓に負担をかけてしまうだけです。
こうならないためにアミノ酸スコアは100に近いものの方がいいのです。
この【アミノ酸スコア】と【アミノ酸の桶理論】をしっかりと押さえているのでがEAAということです。
◆EAAについての研究
今までの話からEAAはアミノ酸スコアや桶理論を押さえ効果が期待できる感じがしてきたと思います。
では実際に行われている研究ではどんな成果が出ているのでしょうか。
国際スポーツ栄養協会では「筋合成を促すには適切なタンパク質摂取が必要、その中でも筋合成に最も適切なのは必須アミノ酸(EAA)である」「必須アミノ酸を一定の間隔で摂取することで運動の効果を最適化する事ができる」といった論文が発表されています。
またEAAは日常的に運動している人以外にも効果があります。
例えばこの研究では高齢者に対しEAAを補給をするグループ、しないグループに分けてその後の経過を追いました。
結果はEAAを補給したグループで筋合成が急激に促進されました。
出典:Effect of Aerobic Exercise Training and Essential Amino Acid Supplementation for 24 Weeks on Physical Function, Body Composition, and Muscle Metabolism in Healthy, Independent Older Adults: A Randomized Clinical Trial
つまり年齢に関係なく必須アミノ酸(EAA)は筋合成に効果的だという事です。
また国際スポーツ栄養協会ではEAAは効果があるサプリメントだと証明されてい流ため、信頼性が高いサプリメントだと考えます。
◆アスリートやトレーニーには非必須アミノ酸も必要
ここまでEAAの必要性をお話ししてきましたが、最後にこんな研究を紹介します。
Nutritionally non-essential amino acids are dispensable for whole-body protein synthesis after exercise in endurance athletes with an adequate essential amino acid intaketという研究なのです。
簡単に要約するとアスリートやハードなトレーニングを行う人は必須アミノ酸がであるEAA不可欠だが、運動中に必須アミノ酸が枯渇すると筋肉の回復に非必須アミノ酸(NEAA)が使用される。という事です。
つまり、アスリートやトレーニーはEAAを十分に補給し枯渇させない事が重要ですが、枯渇したときのためにEAAだけでなくNEAAも必要になるためサプリメントはEAAだけでなく、NEAAも入っているプロテインも必要だという事です。
◆まとめ
最後にまとめとしては以下の通りとなります。
・EAAはアミノ酸スコア、桶理論を抑えており効率良くタンパク質を摂取できる。
・EAAは科学的に見ても効果があると考えて良い
・特にアスリートやトレーニーにはオススメのサプリメントだが、まずはプロテインで全体的なアミノ酸摂取が重要
・ハードなトレーニングをしない人はプロテインよりもEAAの方が良いかも
今回の記事のまとめはこの様な感じですね。
EAAについては今後も徐々に新たな研究結果ができてきそうです。
しかし、おそらく海外のものになるため(日本ではトレーニング系の研究はお金にならないためあまり行われない)研究内容をしっかりと精査した上でお届けしたいと思います。
今回も記事を読んで頂きありがとうございます。
また次回の記事でお会いしましょう。