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【超基本】トレーニングの3つの原理と5の原則

んにちは、今日はいつもの様々な研究から効率の良いトレーニングなどを紹介する記事ではなく、トレーニングする上で必ず知っていないといけないトレーニングの原理と原則についてお話しします。

 

 

レーニングで結果を出すためには最新の研究や科学的に証明されている事を知識として知っておく事も必要ですが、それ以前にトレーニングにおける不変的な原理・原則を知る必要があります。

 

原理・原則の意味は辞書にはこうあります。

原理:多くの物事を成り立たせる根本的な法則。認識や行為の根本をなす理論。

 

原則:特別な場合を除く、一般的に適応される根本的な理論

 

どれだけ新しい知識を蓄えようとも基本的な地盤がないと、どんな事も成立しません。

前回の記事でも紹介した【意識性の原則】も基本的な原則の1つです

 

 

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日は普段よりも記事のボリュームは物足りないかも知れませんが、一度トレーニングの基礎・基本を復習してみましょう。

 

◆トレーニングにおける不変的な原理

 

レーニングに置いて変わらない原理は3つあります。

それが

・過負荷(オーバーロード)の原理

・特異性の原理

・可逆性の原理

です。

 

内容を1つずつ紹介していきましょう。

【過負荷(オーバーロード)の原則】

 

過負荷とは日常生活以上の負荷という事です。

基本的に人間の日常生活はどれだけ高負荷でも1RMの30%を超えないと言われています。

 

どれだけ頑張ってもという事は基本的には15%前後、デスクワークなど身体をあまり動かさない人は更に低い負荷量で生活しているという事です。

 

 

毎日の生活で負荷が高いと身体や精神を壊してしまうため、これは生活する上では良い事なのですが、やはりそうなると筋肉の成長は期待出来ません。

そのため、筋肉の成長を促すためにはトレーニングで日常生活以上の負荷をかける必要があります。

 

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た過負荷の原理にはもう1つ重要な考え方を持つ必要があります。

それが「慣れ」です。

 

考えてみてください。

普段エレベーターばかり使う人がダイエットのために階段を使う事にしたとしましょう。

初めのうちは徐々に体重が減っていき、体力や筋肉も付いてくるでしょう。

しかし、だからと言って際限なく痩せていくでしょうか?

そんな事はないはずです。

 

 

人間は生物の中でもトップクラスに適応力があるため、一定の期間同じ事を続けると身体が順応してしまいその負荷が日常生活レベルになります。

これはトレーニングでも同じ事で毎回同じ負荷や同じ種目をしていても身体は変わっていきません。

 

そのため、筋肉を成長させるには重量やレップ数・セット数、種目などの変数を変えていく必要があります。

 

「現状維持は衰退と同じ」と言った言葉がある様にトレーニングに置いて変化のない同じ事を繰り返すことは避け、慣れてきたら徐々に負荷量を上げていく必要があります。

 

【特異性の原理】

 

特異性とは「そのものに備わっている特殊な性質」という意味です。

 

これは目的によってトレーニング方法を変えましょうといった原理です。

 

例えば、同じトレーニングでも足腰を鍛えたいのにベンチプレスばかりしていたらいつまで経っても足腰は強くなりませんよね。

 

上記は極端な例でしたが、実際にフィットネスジムでは筋肉を付けたいはずなのにランニングマシンをひたすら走っている男性、痩せたいはずなのに大筋群を使う多関節運動でなく軽い負荷で腕のトレーニングばかりしている女性などをちょこちょこ見かけます。

 

個人的に1番多いと感じるのは「痩せたいのにひたすら高重量を挙げる事に必死になっている中年男性」です。

男なら高重量を扱える様になりたいと気持ちはとてもよくわかります。

私もトレーニング初心者のときは同じ気持ちでした。

 

目的が重量のアップなら良いのですが、やはり目的と方法の相違があるとなかなか自身の満足のいく結果にならないため目的によってトレーニング方法を考えて変えていく必要があります。

 

【可逆性の原理】

 

可逆性とは「変化したものは元に戻ろうとする性質」の事です。

 

レーニングを始めると初めはみるみる身体が変化します。

自身の身体の変化に嬉しさを覚え、トレーニングにハマり継続できればとても良い事ですが、身体の変化が起き始めたタイミングで仕事が忙しくなりなかなかジムに行けなかったり、初めに飛ばし過ぎてやる気がなくなってしまうと折角ついた筋肉がなくなり元の身体に戻ってしまいます。

 

これが可逆性です。

元々、人間の身体が恒常性と言って身体を元の状態に保とうとする機能が働きます。

それが良い変化であろうと悪い変化であろうと身体は変化を嫌い元の状態に戻ろうとします。

 

 

ダイエットでリバウンドしたり、付いた筋肉がなくなり元の身体に戻ってしまうのはこのためです。

そのため、痩せた身体や筋肉の付いた身体を「普通の状態」と身体が認識するまでは、運動やトレーニングを継続する必要があります。

 

しかし、この可逆性は悪い事ばかりではありません。

身体が元の状態に戻ろうとするということは、一度痩せた状態、筋肉が付いた状態が普通になるとちょっとの事では太ったり筋肉が減ったりしません。

 

しかも、その状態になっているということは運動習慣も付いているため太る可能性は少なくなり、一生スリムな身体・筋肉質な身体を維持する事が可能でしょう。

 

身体に定着するまでは頑張る必要がありますが、一度身体が覚えてしまえば良いため「今日はジムに行かずダラダラしたいな」という気持ちに打ち勝って運動習慣を付けましょう。

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◆トレーニングにおける守るべき原則

 

3つの原理の次はトレーニングの守るべき原則についてのお話しです。

 

レーニング の原則は以下の5つ

・漸進性の原則

・全面性の原則

・継続性の原則

・意識性の原則

・個別性の原則

です。

 

【漸進性の原則】

漸進とは「段階を踏み、徐々に進んでいく事」という意味です。

 

レーニングもこの漸進性が大切なのです。

「これって過負荷の原理と同じでは?」と思う方もいるでしょう。

 

確かに過負荷の原理と似ていますが、過負荷は「成長には日常生活や現在のレベル以上の負荷が必要」という意味に対して、漸進性は「”徐々に”進んでいく」という意味で、この”徐々に”がキーワードです。

 

この原則を無視して急激に負荷量を上げてしまうと関節や靭帯に負担がかかり、逆に効果が出なかったり怪我をしてしまったりします。

 

 

これはトレーニング以外でも言える事で例えば仕事でも新卒の頃に急に大きな仕事を任されてもパンクしてしまいますよね。

しかし、徐々に経験を積んでいくと難しい仕事でもこなす事が出来ます。

 

レーニングもいきなり高重量や難しいことをするのではなく、自分ができる範囲で徐々に負荷量を増やしていく事でいつの間にか高いレベルに辿り着く事が出来ます。

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【全面性の原則】

全面性とは言葉の通り、全身バランスよく鍛えましょうという事です。

 

レーニングを始めると好きなトレーニング種目や鍛えたい部位が出てきます。

 

男性であれば大胸筋を鍛えるベンチプレスや上腕二頭筋を鍛えるアームカールなどは人気でジムでも鍛えている人をよく見かけます。

 

しかし、トレーニングメニューや部位の偏りはボディバランスを崩したり、身体を痛める原因になります。

特に綺麗な体型を目指している人は全身バランスよくトレーニングを行う必要があります。

 

実際に私がパーソナルトレーナーの学校に通っていた頃、クラスメイトが大胸筋と上腕二頭筋ばかり鍛えていました。

その甲斐あってかベンチプレスは130kg程度まで挙げており大胸筋もすごく筋肥大していましたが、姿勢が悪く肩も痛めていました。

 

更にその他の種目を一切していないため、下半身は同じクラスの女の子と上げられる重量が同じという始末でした。

 

トレーナーとして同じ勉強しているのに何故そんな事になるのか疑問でした。

もちろん私とはトレーニングする目的が違ったからで、彼は「重量を挙げる事」にのみこだわっていたのでしょう。

 

そんな彼も卒業後はパーソナルトレーナーになりましたが、本当に効果を出せているか心配です。

 

そこし愚痴っぽくなってしまいましたが、トレーニングは偏ってしまうと良くないと言う事です。

 

ただ全身のトレーニングを行い、その中で特に「この部位は頑張ろう!」と言うのは問題ないため、しっかりとした基礎をわかった上で自身の鍛えたい部位を鍛えて下さい。

 

またこれはトレーニングの事だけでなく、柔軟性や持久力なども関係してくるためしっかりとしたストレッチやたまには持久系の種目をやってみても良いかも知れません。

 

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【継続性の原則】

継続性も言葉の通り、「短期間ではなく、長期的な目線で継続しましょう」と言う事です。

 

短期的なトレーニングは可逆性の原理によりすぐに元に戻ってしまいます。

また短期的にストレスをかけると、ストレスに適応出来ず身体を壊してしまう可能性があります。

 

一時期流行った某パーソナルジムでは「2ヶ月で-30kg!」と宣伝していましたが、そのジムでトレーニングを受けた人はほとんどがリバウンドしていました。

また詳しくは他の記事で書きますが、短期的で急激な糖質制限により身体を壊す人も多かったそうです。

 

 

一度某パーソナルジムでトレーニングを受けた人のトレーニングを受ける前の血液データと受けた後の血液データを見せてもらいましたが、たった2〜3ヶ月でかなり血液データが悪くなっていました。

 

実際の方は体重が減って満足していましたが、肌や髪は艶がなくなり顔もやつれており、体重は減って体型も変わったのにでトレーニングを受ける前の方が綺麗で若々しかったです。

 

 

何も短期的に痩せる事が全て悪いとは言いません。

結婚式や特別な事があり、痩せたいと言う気持ちは分かりますし、2ヶ月で体重が30kgも減れば人生も変わる事があるでしょう。

 

 

しかし、よほどの事がない限りトレーニングやダイエットは長期的な目線で行っていく方が健康的で効果も期待出来ます。

 

【意識性の原則】

これはトレーニングの際に筋肉が動いている意識や重量を挙げる意識など自分の状況を意識しながらトレーニングを行うと効果が高まるという原則です。

 

この原則には賛否両論ありますが、スポーツ選手や物事の上達が早い人を見ていると、やはり1つ1つを意識して考えながら行動していると感じます。

 

実際に前回の記事や意識性についての研究によって効果は証明されてきています。

 

レーニングにおいても「筋肉に効かせる」のか「重量を挙げる」のかによって、効果が変わってきます。

 

意識するだけでもトレーニングの効率が変化するため、「ながら運動」ではなくしっかりと意識してトレーニングを行いましょう。

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【個別性の原則】

 

これは人によって適切なトレーニング種目や負荷量が違うため、自分に合ったトレーニングを選択しましょうという事です。

 

例えばトップアスリートがやっているトレーニングだからと言って万人に効果がある訳ではないですし、Aさんに効果があったからと言ってBさんも同じことをして同じ結果になるとは限りません。

 

レーニングの効果や結果には「性別、健康状態、遺伝子、トレーニング・運動歴、食事内容」など様々な要素が複雑に絡み合います。

 

極端なことを言うとサッカーを始めたばかりの子にネイマールと同じ練習をさせても効果がないです。(仕方ない事ですが部活動の指導でこの様な事が良く見られます)

 

この個別性に関しては自分自身でどんなトレーニングが適正かを探していく必要があります。

また自分1人では難しい場合はパーソナルトレーナーを付けてみるのも一つの手です。

結果的にそちらの方が結果が出やすいため、初めだけ色々と教えてもらい途中から1人でトレーニングしていくのが効率的かも知れません。

 

 

◆最新の情報・研究も大切だけど

 

上の3つの原理と5つの原則がトレーニングにおいて基礎となる考え方です。

最新の情報も大切ですが、この様な基礎・基本から外れていれば効果が出ない事も多々あります。

 

 

特に栄養学に関しては論文や研究で分かった事を鵜呑みにして、そもそもの生理学・生化学的に考えるとありえない事でも「最新科学で分かった○○な方法!」「科学的に証明された食べると○kg痩せる食べ物」と見たくなる様なタイトルを付けて間違った情報を発信している人がとても多いです。

 

 

その様な情報に騙されないためにも、まずは基礎的な知識を持っておく事も大切です。

 

 

 

本日も記事を読んでいただきありがとうございました。

たまにこの様な基礎・基本シリーズも記事にしていければ良いと思っているため、また読んで頂けると嬉しいです。

 

ではまた、次回の記事でお会いしましょう。